My Winding Road

思ったことをもにょもにょと書きます。

革新的なアイディアなんて存在しない

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このエントリーを読みまして、

アイディアに価値はない by 仲 暁子

 

Facebookでシェアしたら結構リアクションいただきまして、

「アイデアって平凡でいいんだなー」と安心した今日のこの頃。

じゃあとりあえず考えていることでも書き綴るかと思ってみた次第です。

 

タイトルにもつけた「革新的なアイディアなんて存在しない」は今の僕の持論です。

 

イデアとは?

「すでにある何かと何かの掛け合わせで生まれるもの」と定義しています。

 

Appleの初代iPod

 

 

 機能的に見たら、僕が新入社員の時に買ったSONYのAW-3000というHDDウォークマンと何が違うのでしょう。

 

 

 

 

AppleMac Book Air

 

 

そんなもの、僕が大学生のときにSHARPMURAMASAというwindows PCを出しています。

 

シャープ、192MBメモリ搭載の薄型ノート「MURAMASA」など

「超ウスイ!」をウリにしたパソコンでした。

 

 

なぜ先行していたのに、Appleほど爆発的に売れなかったのか?

 

受け入れられるアイディアとはなにか?

僕の中ではこういう方程式で定義しています。

 

イデアの価値=前提条件の捉え方 × 組み合わせの面白さ

 

後半の組み合わせの面白さとは冒頭で言った「すでにある何かと何かの掛け合わせで生まれるもの」です。

「あっ、そんなところから持ってきた?」を見つけるとそれはアイデアの面白さ=価値になります。

 

しかし、それと掛け算しているのが「前提条件の捉え方」です。

 

つまりどこまで前提を踏まえてその組み合わせを持ってきたか?ということが大事です。

 

僕はずっと受託開発が長かったので、

受託開発の提案書を作るときは、お客さんの現状で困っていること、やりたいこと、その辺をどれだけ汲み取れるかを大事にしてきました。

 

仮にBtoCであったとしても、相手がマーケットになるだけなので、

やっていることは変わりないと思っています。

 

 それが土台になります。

これがしっかりしていないと、結果は掛け算なので、どんなに面白い組み合わせを持ってきても、最後に生まれる価値としては低いものになってしまいます。

 

「俺、アイデアマンだぜ〜」みたいな人は「組み合わせの面白さ」だけをたくさん持っている場合が多いですが、それがいつどんなとき、どのような人の助けになるか?が全く抜けています。

よくそこがなくて「こうやろうぜ」を出せるなと、その能力にはいつも関心をします。

 

逆に、前提条件をうまく捉えることができれば、組み合わせは平凡でも相手にウケたりします。

これは実体験としてよくあります。

 

前提条件の捉え方

慣れるとあまり難しいものではないのですが、こんな感じでいつもやっています。

 

現象の確認→問題点の発見→解決策の考案

 

実はシステムのバグを直す時とまったく同じフローなわけです。

 

1. 現象の確認

いま何が起きているか?を確認します。

システムならば「5と計算結果が出るのに1と計算されてしまう」。

うん、簡単ですね。

 

2. 問題点の発見

なぜ1が起きるのか?の原因を見つけます。

システムならば「ここの計算式、引き算じゃなくて割り算だよ!」。

うん、これも簡単。

 

3. 解決策の考案

2を解決するにはどうすればいいか?を考えます。

これがちょいと大変。

システムならば「じゃあ割り算にしようよ!」となりますが、

「でもここを割り算にすると、この画面とこの画面に影響が出るんだよ!」とか、

その他の部分も考慮して「じゃあ場合分けして別関数にしようか?」とかそんな感じです。

 

これ、実はその他全ての場合に当てはまります。

例えば

「いま、店頭でハガキ応募キャンペーンをやっているんだけど、応募率が1割なんだよ」

これが現象。

 

「そもそも、狙っているユーザー層って店頭に来ないよね?」

これが原因。

 

「じゃあ、Webでキャンペーンやろうよ!」

これが解決策の考案。

 

ね?簡単でしょ。

じゃあ、どういうWebのシステムにしようか?というのを、

既存のものを組み合わせて、ユーザー層にウケるようなシステムにして、

提案すればOKなんです。

 

 

 

Appleがここまでウケたのって、

世の中の空気感→前提条件をうまく捉えていたのか、

逆に自分たちで空気感を作った→自分たちで前提条件を作ってしまったのか、

どちらかだと思います。

 

だから、SONYのAW-3000よりiPodが流行って、

MURAMASAよりMac Book Airが流行ったのではないかと思います。

 

 

とりあえず結論を 

 

というわけで、革新的なアイディアなんて存在しなく、

プロダクトなんてものはいつかどこかで誰かが出していたり、

それをちょっと変えたものだったりして、

 

じつはそんなことより世の中のみんなが困っていることに、

真摯に対応できる製品で、それをちゃんと説明しただけなんだと思うんです。

 

そういうことなんだと思います。

 

 

 

 

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

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